お知らせ
診療方針
診療基本方針
●皮膚科の病気は, 他人から見れば些細なことが多いです.
しかし, 本人にとっては悩みは大きく深いことも多いです.
どんな病気でもひとりで悩みを抱えるのは, とてもつらいです.
●なんとかしたいと思います.
診療所の範囲内で最善の治療を目指しています. なかなか難しいですが.
●「最善の治療」とは, 標準治療(現在の高いエビデンスレベルに基づく治療)
をふまえたうえで、それぞれの患者さんにとって最も良い治療のことだと思います.
とはいえ, 過大な期待に応えることはできません.
それだけの能力も持ち合わせていません.
実際, 特殊なことをしているわけではありません.
まず個々の皮疹を診る, 触れる, 記録(写真)に残し, 診断を考える
次にいくつかの選択肢の中でその人にとって良い治療を(一緒に)考える.
治療結果を予測する.
再診時に予測に反すれば, その理由を考え, 修正する.
そういう基本をひたすら繰り返している.
たったそれだけです.
しかし, 精度をあげて治療をするためには, 時間がかかってもそうせざるを得ません.
それでも, 見逃しや勘違いなどの誤りはあります.
かなり落胆しますが, 失敗から学ばなければなりません.
●2006年より年に数回皮膚科治療検討会を主催し, 仲間の熟練皮膚科医らと切磋琢磨を重ねています.
また, (当然ながら)学会・研究会に多数参加し, 論文や本を読んで最新知識の習得を継続しています.
新しく知るのは楽しみですが, それ以上に知らないことが増え, 悩みは尽きません.
●小さな「診療所の範囲内」でできることには限りがあります.
特殊な器械や高価な道具もありません.
何でもかんでも行っているわけではありません.
むしろ, 皮膚科治療の中での内容をあえて絞っています.
●当科で治療を行うのが患者さんにとって良いのか, 病院へ紹介するのが良いのかの判断は間違えないように心がけています.
優秀な医師は日本中にたくさんいます.
彼らへの橋渡しになれば良いと考えています.
●これまでの多くの素晴らしい医師と研究者との出会いは, かけがえのない財産です.
そして, 大して頼りにならない私を信頼してくれる患者さんは活力の源であり, 私を影で支えてくれるスタッフは宝です.
診療個別方針(例)(掲載のサイトや本をあなたの治療の参考にしてください)
●アトピー性皮膚炎:まず皮膚の炎症をできるだけ早くきちんと抑えて湿疹やかゆみがない状態にします.その後落ち着いた状態を長く維持するために定期的に塗り薬を用い, 最終的に保湿剤だけでいい状態になれることを目標としています.
ドライスキンは皮膚の炎症とかゆみを招くので, スキンケアは基本かつ重要です.
ステロイド外用剤については, 適切(特に量と期間がポイント)に使用するために治療計画をたて, その結果を確認しています.
ステロイドではない抗炎症外用剤(現在4種)は, 幼児から成人まで積極的に活用しています.
乳児については, 保湿を基本としたきめ細やかな外用療法を行っています. 両親の不安が少しでも和らぐことができるように努めています.
2018年から生物学的製剤やJAK阻害薬などの新薬が続々と登場し, アトピー性皮膚炎の治療は大きく変わりました. これまで重症で苦しんできた方の皮疹やかゆみもほとんどなくなる時代になっています. 残念ながら, そういった情報を入手されている方は少数です. 必要に応じて適切に紹介しています.
(参照サイト:アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2021 日本皮膚科学会雑誌第131巻第13号 (jst.go.jp), 九州大学医学部皮膚科 アトピー性皮膚炎に関する情報 https://www.kyudai-derm.org/part/atopy/index.html)
(参考図書:『世界最高のエビデンスでやさしく伝える 最新医学で一番正しい アトピーの治し方』大塚篤司先生:ダイヤモンド社, 『ほむほむ先生の小児アレルギー教室』堀向健太先生:丸善出版,『ステロイド外用薬の使い方ガイド』江藤隆史先生・大槻マミ太郎先生:秀潤社)
食物アレルギーについては, 経験と知識が豊富な小児科医師を紹介し, 治療の連携をとっています.
●伝染性軟属腫:苦痛を与えず, 圧出(摘出)しない外用療法を行っています.
(『カラーアトラス疣贅治療考』P.234 江川清文先生:医師薬出版)
●創傷・熱傷:ガーゼや消毒剤を用いない新しい治療(開放性湿潤療法:夏井睦先生に師事)を行っています.(『創傷治療ハンドブック』夏井睦先生:三輪書店)(http://www.wound-treatment.jp/)
●蕁麻疹:治療ガイドラインに準拠して適切な薬を選択し, 慢性のタイプでは計画的に減薬するようにしています.
(www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/urticaria_GL2018.pdf)
●にきび:病態や治療目標の理解の説明に重点を置いています. そのうえで, 適切な内服療法や外用薬の使用方法について細かく指示しています.
(www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/acne_guideline2017.pdf)
●乾癬:ビタミンD3外用剤を中心とした外用療法を基本としています. 中等症以上の場合や軽度の関節症状がある場合は, 副作用の少ない内服薬を考慮してい ます. 重度の場合は, 生物学的製剤を用いた治療を受けられるように紹介をしています.(参照サイト:乾癬ネットhttps://www.kansennet.jp/ 大阪乾癬患者友の会http://derma.med.osaka-u.ac.jp/pso/)
●掌蹠膿疱症:禁煙と口腔ケアを基本とし, 歯周病があればその治療をしたうえで標準的な方法で改善しない場合は, ビオチンを用いた治療(前橋賢先生・元東北大学第二内科の治療法に準拠)を考慮します. 胸肋鎖関節などの腫れや痛みがある場合(掌蹠膿疱症性骨関節炎)は, 専門の診断が可能な阪大整形外科などへ紹介し, さらに必要に応じて生物学的製剤を用いた治療を紹介しています.(参照サイト:掌蹠膿疱症診療の手引き2022 PPP2022.pdf (dermatol.or.jp),掌蹠膿疱症性コミュニティ https://ppp-community.com/)
(参考図書:『掌蹠膿疱症骨関節炎の手引き2022』日本脊椎関節学会:文光堂)
●巻き爪:手術をせずに形状記憶ワイヤー(町田英一先生開発)を用いた治療(自由診療)を1999年から行っています.(https://tama-medical.com/j_machiwire_intro.html)
●最新機種のダーモスコープを用いてほくろや皮膚がんの診断を開院以来継続しています. 診断が不確実な場合は, 東京女子医大付属足立医療センター皮膚科前教授田中勝先生(に師事)にコンサルトをしています.
●西洋医学では治りにくい慢性疾患に対しては, 漢方(保険エキス剤)を組み合わせた治療を大学勤務時代から行っています.
●マゴットセラピー(岡山大学心臓血管外科・元講師の三井秀也先生に師事)により, 糖尿病性足潰瘍などでの下肢切断の救済を2007年から行っています(自由診療). また, マゴットセラピーの学会講演や研究会の主催などを行い, 昆虫関連の教授や各地の臨床医とともに日本での普及活動(www.maggotforum.com/)に努めています.
(注)開院当初よりピアスの穴あけはしていません. 今後も行うことはありません.
また, レーザーなどの美容皮膚科治療を行うこともありません.
医師:岡田匡
奈良県立医科大学卒業, 同大学皮膚科学教室(主任:白井利彦教授)入局, 1997 開院.
白井利彦先生に皮膚科学を学び, 天理よろづ相談所病院・元皮膚科部長の佐山重敏先生に
外来臨床について師事.
所属:日本皮膚科学会, 日本臨床皮膚科医会, 日本皮膚免疫アレルギー学会, 日本乾癬学会, 日本小児皮膚科学会, 日本下肢救済・足病学会, 日本感染症学会, International Biotherapy Society
●日本マゴットフォーラム事務局長・日本マゴットセラピー症例検討会事務局長
(https://www.maggotforum.com/jmf)
●Bio Therapeutics, Education & Research Foundation professional member
(https://www.bterfoundation.org/maggot-therapy-referrals-by-region/#Japan)
●著作:「糖尿病とウジ虫治療」(岩波書店 岩波科学ライブラリー)
https://www.iwanami.co.jp/book/b265966.html
https://honz.jp/articles/-/33638
https://honz.jp/articles/-/33641
https://www.news-postseven.com/archives/20171006_610692.html? PAGE=2)%20%20%E2%80%8B
●真武館真勝流 居合抜刀道八段(師範:古坂勝也)